HOMULA — RECRUITMENT AUTOMATION

Phase2 RPA媒体適用 & 技術選定 調査結果

Phase2展開に向けて、追加媒体(キミスカ/レバテックダイレクト)へのRPA適用可否を実機検証し、 併せて実行基盤の選定(Robocorp継続 vs n8n+Playwright移行)を技術的に評価しました。

エグゼクティブサマリー

本調査の結論を冒頭に提示します。

① 媒体適用:キミスカ・レバテックダイレクトともに、ログイン/レジュメ取得/メッセージ送信の3工程すべてで 実機検証に成功しました。両媒体とも実用可能です(CAPTCHA・特殊認証なし)。
② 技術選定:n8n+Playwright(Cloud Run)構成への移行は、技術可否9項目すべてで実現可能と判定。 毎回手動起動が不要になり、Robocorp費用も削減される一方、本番移行は段階的に進めることを推奨します。

キミスカ
実用可能
レバテックダイレクト
実用可能
n8n+Playwright構成
実現可能
推定開発工数
1週間〜

Part 1 | 媒体別 RPA適用可否

「ログイン」「レジュメ取得」「メッセージ送信」の3工程で実機検証した結果。

1-1. 媒体別 総合判定マトリクス

媒体 ①ログイン ②レジュメ取得 ③メッセージ送信 総合判定
OfferBox(Phase1 稼働中) 実用中
レバテックダイレクト
候補者番号 20件抽出

送信フォーム完全マッピング
実用可能
キミスカ
同時ログイン制限を自動突破

学生ID 25件抽出

「クイック送信」ボタン有効化確認
条件付き可
Green
後描画・名札ランダムで少し手間
実用可能
ambi
reCAPTCHA「私はロボットではありません」あり
検証中 検証中 条件付き可(想定)

※ OfferBox/レバテック/キミスカ/GreenはCAPTCHA・特殊認証なしを確認済み。

ambiの運用前提: ログイン時に「私はロボットではありません」認証(reCAPTCHA)があるものの、 一度ログインすると数日間はセッションが維持される挙動と想定されるため、 人が適宜ログインを通す運用で対応可能と見ています。 ログアウト時はRPA側でエラーとなるため、その検知と復帰フローが組めるかは現在検証中です。

1-2. レバテックダイレクト / 詳細所見

構造

  • SPA(クライアント側レンダリング)、/cr/signinでメール+PWのフォーム認証
  • 候補者リスト URL:/cr/candidate/list/<listId>
  • 各候補に「スカウト」「気になる(無料)」ボタンが配置

検証で確認できたこと

  • 候補者番号(C03340513225 等)を 20件プログラムで抽出
  • 件名/本文(textarea, 最低30字)/送信ボタンすべて検出
  • Playwrightで件名・本文の自動入力に成功
留意点: 媒体側に「気になる自動送信」「AIで自動生成 (β版)」機能が標準装備されているため、 T3のAI連携と機能が重複する可能性あり。運用範囲の切り分けを要確認。 残作業:「求人選択ドロップダウン」と確認チェックの自動化(実装で対応可能)。

1-3. キミスカ / 詳細所見

構造

  • ASP.NET(サーバーサイドレンダリング、__RequestVerificationToken あり)
  • ID/PWフォーム(CAPTCHAなし)
  • メッセージ送信URLにstudentIdを直接渡す方式 → StudentDetail経由不要

検証で確認できたこと

  • ログイン成功+ダッシュボード到達
  • 検索結果一覧から 学生ID 25件を抽出
  • 「クイック送信」ボタンの実寸あり&有効化を確認(実送信せず)
⚠️ 運用上の重要制約(同時ログイン枠): キミスカは「管理者ユーザの同時ログイン制限数」があり、RPA実行のたびにセッションを1つ消費して 人間の利用と取り合いになります。自動強制ログアウトで突破可能ですが、運用中の他ユーザを切ってしまう副作用あり。
対策(推奨):RPA専用アカウントを別途発行し、人間と枠を分離する運用設計とする。

Part 2 | 新規媒体の判断ポイント(横展開用)

非エンジニアでも媒体の RPA 可否を判断・報告できるよう、3つの関門で整理。

01 — TECH

ログイン認証方式

ID+パスワードのフォーム入力なら基本的に自動化可。
CAPTCHA/2段階認証/SSO/生体認証は要工夫または不可。

02 — OPS

Bot対策・アクセス制限

CAPTCHA・速度制限・IP制限・アカウント保護で止まらないか。
操作間隔・実行頻度・IP戦略で対応の引き出しを持つ。

03 — LEGAL

利用規約・契約

自動アクセス・スクレイピング禁止条項の有無を確認。
技術可否と別に「やってよいか」を必ず判定する。

2-1. 認証方式別の自動化可否

認証方式 自動化 説明・確認ポイント
ID+パスワードのフォーム入力可能最も自動化しやすい。例:Green、OfferBox、レバテック、キミスカ
「ログイン状態を保持」Cookie方式可能一度ログインすれば一定期間有効
画像認証(CAPTCHA / reCAPTCHA v2)要工夫原則自動突破は不可。人が一度だけ通す等の工夫が必要
reCAPTCHA v3 / Botスコアリング要工夫不可視で人間らしさを採点。検知されやすい
2段階認証(SMS/認証アプリ/メール)要工夫コード受け取りの自動化が必要。難易度高
マジックリンク(メール認証)要工夫メール側の自動化が必要
SSO(Google/Microsoft等)場合による連携先のログイン+同意画面。2FAが絡むと難化
ICカード/生体認証/専用アプリ承認ほぼ不可物理デバイス必須。RPAの範囲外

2-2. 媒体評価チェックリスト(新規媒体追加時の判断シート)

#確認項目判定備考
1ログインはID+パスワードだけで入れるか○ / △ / ××なら2FA/SSO等を確認
2ログイン時にCAPTCHA・画像認証が出ないか○ / △ / ×出るなら要工夫
3操作中にアクセス制限・警告が出ないか○ / △ / ×出るなら頻度・IP対策
4利用規約で自動操作が禁止されていないか○ / △ / ××なら技術可否に関わらずNG
5取得したい情報が画面で人にも見えるか○ / △ / ×見えれば原則取得可
6送信操作が画面のボタンで完結するか○ / △ / ×できれば送信自動化も可

判定の目安:1〜4がすべて○ → 実用可能(GO)/ 1〜3に△あり → 条件付き可(工夫・追加コスト見積) / 4が× → 不可(規約NG)

Part 3 | 実行基盤の技術選定(Robocorp vs n8n+Playwright)

Phase2で媒体数・クライアント数が増えることを見据えた、実行基盤の再評価。

3-1. 現状の課題

現アーキテクチャ

Robocorp(起点)→ n8n(AI生成)→ Robocorp(スカウト送信)

  • Robocorp Control Room上で実行
  • n8nはAI生成・スプレッドシート連携を担当

顕在化した課題

  • 定期実行不可:毎回手動でRobocorpを起動する必要
  • UI二重管理:Control Roomとn8nの2か所
  • 運用基盤コスト:Robocorp費用が発生

3-2. 提案アーキテクチャ(n8n+Playwright on Cloud Run)

┌────────────── n8n Cloud(ttt3.app.n8n.cloud)──────────────┐ │ ① Schedule Trigger(毎日 X 時)/ Manual Trigger(Run) │ │ ↓ │ │ ② HTTP Request → Cloud Run /candidates │ │ ↓ {candidates: [...]} │ │ ③ ループ × 候補者数 │ │ ├─ AI生成ノード(既存LLM再利用) │ │ ├─ ハードルール検証/スコアリング(既存再利用) │ │ ├─ IF 自動送信OK → /scout │ │ └─ Google Sheetsノード(履歴/承認待ち) │ └───────────────────────────┬───────────────────────────────────┘ │ HTTPS(IAM/APIキー) ▼ ┌──────────── Cloud Run(Playwright サービス)────────────┐ │ FastAPI │ │ • POST /candidates — 検索条件→候補者リスト+レジュメ │ │ • POST /scout — スカウト送信(DRY_RUN対応) │ │ • GET /healthz — ヘルスチェック │ │ Playwright (Chromium headless) │ │ 認証情報: GCP Secret Manager → 環境変数注入 │ └───────────────────────────────────────────────────────────┘

3-3. 技術的可否(9項目評価)

# コンポーネント 可否 根拠
1n8n cloud の Schedule Trigger で定期実行標準機能。cron式で指定可
2n8n cloud の Manual Trigger(Run UI)標準機能。クライアントもアクセス可
3n8n cloud 内でPlaywrightを直接実行クラウド版はサンドボックス制限・コミュニティノード不可
4n8n cloud から外部HTTPサービス呼び出しHTTP Requestノード標準装備
5Cloud Run で Playwright+Chromium 実行公式Dockerイメージあり、実績多数
6Cloud Run から OfferBox.jp の操作既存Robocorp版と等価以上。Green検証でも同型SPAで実証済
7n8n cloud → Cloud Run の認証Cloud Run IAM(推奨)/APIキー
8OfferBox認証情報の安全な管理GCP Secret Manager → 環境変数
9100件規模を1リクエスト内で完了Cloud Runタイムアウト60分以内(処理見込み20-25分)

総合判定:✅ 技術的に実現可能(n8n内Playwright直接実行は不可だが、外部HTTPサービス分離で解決)

3-4. ホスティング選定

選択肢 月コスト メリット デメリット
Cloud Run (GCP)
推奨
$1〜5 使った分課金、Google連携統一、60分タイムアウト、デプロイ簡単 コールドスタート5-15秒(定期実行では影響軽微)
Render.com $7常駐 git pushでデプロイ、Dockerfile不要 常駐課金、IPは可変
VPS 固定IP(Lightsail等) $5〜10 固定IPでBAN対策に有効 サーバ保守必要(OS更新等)
Browser-as-a-Service(Browserless等) $200〜 Playwrightエンジン外部委託 高コスト、複雑フロー記述が不便

3-5. コスト試算(月額・移行後)

項目
現状
移行後
差分
Robocorp Control Room
現プラン
$0(廃止)
-(現額削減)
GCP Cloud Run
$0
$1〜5
+$1〜5
GCP Secret Manager
$0
$0(無料枠内)
0
n8n cloud
現プラン
現プラン
0
合計
コスト削減

3-6. リスクと対策

リスク影響対策
OfferBox側のBan/レート制限送信不可・アカウント停止現状と同等リスク。問題化したらVPS固定IPへ切替
Cloud Run コールドスタート(5-15秒)初回応答が遅いSchedule実行では問題なし。Min instances=1で回避可
毎リクエストでログイン必要オーバーヘッドPoCではそのまま。セッショントークン方式で後日最適化可
n8n cloud のワークフロー実行時間制限長時間ジョブが切れるバッチ分割/Cloud Run側でループ実行
OfferBox DOM変更セレクタが壊れる現Robocorp版と同リスク。テスト・モニタリングで対応
利用規約上の自動化可否規約違反リスク現状と同じ。法務確認は別途必須

Part 4 | 今後取り入れることで得られる効果

Phase2に向けて n8n+Playwright 構成を取り入れた場合に見込める効果。

EXPECTED IMPACT
手動起動の解消・UIの一本化・運用コストの削減が同時に得られる
n8n の Schedule Trigger による定期実行で、毎回手動でRobocorpを起動する手間が解消されます。 クライアントが触るUIも n8n 一箇所に集約され、運用が単純化されます。 加えて、Robocorp Control Room の月額を Cloud Run(月$1〜5)へ置き換えることで 運用基盤コストも削減される見込みです。

4-1. 期待される効果(定性)

EFFECT 01

運用負荷の低減

Schedule Triggerで定期実行が自動化され、毎日の手動起動・属人化が解消される。

EFFECT 02

UIの一本化

Control Roomとn8nの二重管理が解消され、クライアントの操作箇所がn8nに集約される。

EFFECT 03

コスト削減

Robocorp費用を廃止し、使った分だけ課金されるCloud Run($1〜5/月)へ置き換え可能。

4-2. 移行に要する開発工数(参考値)

工程工数
Cloud Run用Playwrightサービス実装(FastAPI+Playwright、既存ロボットから移植)2-3日
n8nワークフロー再構成(Schedule+HTTP連携)1日
Cloud Run/Secret Managerデプロイ・認証設定0.5-1日
動作検証(ドライラン+限定実送信)1日
ドキュメント整備・引き継ぎ0.5日
合計約1週間

4-3. 留意点(実装着手前にクリアしたい項目)

  • OfferBox/キミスカ/レバテック 各媒体の利用規約上の自動アクセス可否(法務確認
  • 既存n8nワークフローのコピー or 改造の方針(推奨:コピー)
  • テスト送信に使う候補者IDの指定
  • GCPプロジェクトの新規作成 or 既存利用
  • キミスカ向け RPA専用アカウント の発行(同時ログイン枠分離のため)
  • ambiのログアウト検知・復帰フローの検証完了